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事業投資

Business investment


「予防医療」に基づいて現有商品を投資しつつ、「再生医療」の理念を持って未来を投資しておく。

本社の遂行にあたりご協力頂いた、中国人民解放軍総合病院北京301病院など長期戦略の関係者の方々に深謝する。



2.1再生医療投資
再生医療は、主に病気、けが、障害などで失われた人体組織とその機能を組織再建や細胞治療により回復させる治療法である。将来的には、糖尿病や腎不全など従来は治療法が存在しない疾患の根本治療が可能になると期待されている。国内では、京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞を樹立し、ノーベル賞を受賞したことで再生医療に注目が集まった。また、2013年11月には、再生医療に用いる製品を従来の医薬品とは異なる新たな分野として定義した改正薬事法と、医療行為として提供される再生医療について定めた再生医療新法が交付され、国内において再生医療を推進させるための法制度も整いつつある。 国内外における再生医療の技術、市場動向を俯瞰するとともに、日本の再生医療の抱える課題と解決策について考察していきたい。

2.2再生医療市場の概要
世界的に再生医療ビジネスとして成功しているのは、細胞治療ではなくむしろスキャフォールド治療である4)(図1)。成功の理由は、スキャフィールド治療は、細胞そのものを用いる方法ではないため、大手医療機器メーカーが、再生医療以前から提供してきた製品ラインナップを改良として、いち早く上市させたためである。一方、細胞治療の担い手の中心は、ベンチャー企業である。製品化に向けた研究開発や治療方法を確立したとしても、大手医療機器メーカーのような既存の販売や供給体制をもっていない。新たな販売や供給体制を、自ら構築しなければならず、高コスト体質に陥りがちで、ビジネスモデルも確立していない。以上のような理由から、細胞治療は、スキャフォールド治療と比較して、市場規模はいまだ小さく、ビジネスとして成功するための課題は多い。

2.3再生医療の抱える課題
日本再興戦略においても革新的医薬品、医療機器と共に再生医療等製品の世界に先駆けた早期実現が明言されている。冒頭で述べたとおり、2013年に一連の法整備が行われたが、再生医療製品の開発促進には法整備だけでは不十分であり、法整備に結びついた各省の省令ガイドライン、システム、保険償還の仕組みの整備が進んでいる。これにより、国内で治療効果の高い、多くの再生医療製品が承認されることが期待されているものの、再生医療の産業化には企業の新規参入の促進が必要不可欠であり、上記の取り組みだけでは対応できない課題も多く存在している。
一つ目の課題は再生医療市場の導入期~成長期にかけての収益化の仕組み作りである。従来の医薬品産業は、製品化すれば、工場で大量生産が可能であったが、細胞治療の場合には、個々の患者での細胞採取、細胞輸送、加工培養などのバリューチェーンを構築する必要がある。結果として、細胞治療は、製造・販売のプロセスが複雑で高コストにならざるを得ず、収益化が難しく、上市の障害となっている。
二つ目の課題は、全体感をもったリーダーによる、戦略的取り組みの欠如である。レポート中で紹介したように、再生医療にはさまざまな種類があり、細胞治療一つとっても多岐にわたっている。一つの技術に固執せず、再生医療全体を俯瞰してポートフォリオを組んで研究開発を行っていく必要がある。このため、日本の再生医療の司令塔となるような組織が必要である。そこでは各省庁に分かれていた予算と権限を一元化し効率的、戦略的に研究開発を行っていく。同様に製品だけでなく、再生医療のバリューチェーンに関わる周辺産業も含めて再生医療産業全体を強化することも必要である。

2.4収益化への取り組み
解決策としては、コストの低減による収益の改善と、市場自体の拡大による市場活性化の二つが必要である。
市場の拡大を考えると、取り組むべき疾患を従来のように「技術的に見通しが立つ分野」から「患者から求められる分野」へシフトさせる必要がある。具体的には治療コストが非常に高い、あるいは治療法が無い分野である、心筋梗塞や脊椎損傷などでの治療法開発が望まれている。さらに、ニーズが大きく市場として拡大しやすいという意味で、美容や発毛分野なども視野に入れる必要がある。また、自国内以外の市場へ積極的に展開することで収益を上げる仕組みを整えることも重要である。
再生医療の産業化への取り組みによって、将来的に発症後、継続的に治療が必要であった疾患の根治が可能になり、われわれの健康と医療費の抑制に寄与することが期待される。課題解決に向けた目標設定と不断の努力と実行により、日本の再生医療が世界の先頭にたち、日本発の技術で多くの患者が救われる未来を創りたいと願い再生分野の医療に対し私たちは投資をしていきます。